この記事でわかること
- 相談時期を考える目安と、早めに相談するケース
- 初診前の準備から方針決定までに確認すること
- 治療選択肢と、自分に合う通院先を比べる視点
治療を始める前に知っておきたいこと
受診した日に治療法を決める必要はありません。
まず現在の状況と希望を共有し、必要な検査、結果説明、その後の選択肢を確認します。年齢は、妊娠を希望する時期、月経、既往歴、パートナーの状況と合わせて相談時期を考える材料です。
不妊治療の相談を考える目安
日本では、妊娠を望む男女が避妊をせず性交していても1年間妊娠しない場合を不妊症としています。この1年は相談を始める目安の一つであり、全員が1年待たなければならないという意味ではありません。
「いつまで様子を見るか」「検査だけ先に受けるか」「どの診療科へ相談するか」で迷った時点で、妊娠希望の時期と現在の状況を伝え、受診時期を確認できます。
1年という期間だけで決めず、月経、病歴、年齢、男性側の状況、妊娠を希望する時期を合わせて相談時期を考えます。
1年を待たずに相談を検討するケース
妊娠に影響しうる事情が分かっている場合は、1年を待たずに評価を始めることがあります。該当する項目だけで不妊や治療の必要性を自己判断せず、相談時に伝えてください。
- 月経が不規則、月経がない、排卵について指摘されたことがある
- 子宮内膜症、骨盤内感染、子宮・卵巣・卵管の病気や手術歴がある
- 男性側の妊孕性低下が疑われる、泌尿器・精巣疾患や手術歴がある
- 性交や射精に関する困りごとがある
- 抗がん薬・放射線治療など妊孕性に影響しうる治療歴がある
- 年齢や妊娠を希望する時期を踏まえ、待つ期間を相談したい
強い痛みや出血など、妊娠希望とは別に診察が必要な症状がある場合は、不妊相談の時期にかかわらず医療機関へ相談してください。
初診前に整理しておく情報
すべてをそろえてから予約する必要はありません。分かる範囲を一枚のメモにまとめ、過去の結果票やお薬手帳があれば持参できるようにします。
- 希望と経過
- 妊娠を希望し始めた時期、希望する時期、これまで試したこと。
- 月経・妊娠歴
- 最終月経日、普段の周期、月経痛・不正出血、妊娠・流産歴。
- 病歴と服薬
- 婦人科・泌尿器科疾患、感染・手術歴、治療中の病気、薬・サプリメント。
- 双方の情報
- パートナーの病歴、過去の精液検査、性交・射精に関する困りごと。
- 通院条件
- 通える曜日・時間、夫婦で来院できる日、仕事との調整で心配なこと。
初診時に行うこと
初診では、現在の状況を確認し、必要な診察・検査と、結果説明までの進め方を相談します。
- 今回相談したいことと、妊娠を希望する時期を伝える
- 病歴、月経、服薬、過去の検査・治療歴を確認する
- 女性側・男性側で必要な評価を整理する
- 当日行うことと、次回来院までに行うことを確認する
- 結果説明の方法と、方針を相談する時期を確認する
検査から方針決定までの流れ
検査は治療法を自動的に決めるものではありません。女性側・男性側の所見に加え、年齢、妊娠希望時期、これまでの経過、通院条件、本人・夫婦の希望を合わせて方針を相談します。
結果説明では、分かったことだけでなく、まだ評価できていないこと、追加検査の必要性、相談できる選択肢を確認します。
タイミング法・人工授精・生殖補助医療の位置関係
タイミング法と人工授精は一般不妊治療、体外受精・顕微授精などは生殖補助医療に位置づけられます。ただし、すべての人が同じ順番ですべての治療を受けるわけではありません。どの選択肢を検討するか、いつ見直すかは、検査結果、年齢、経過、希望を診療で相談します。
どの選択肢から始め、いつ変更を考えるかは、原因、年齢、期間、検査結果、治療歴、本人・夫婦の希望によって異なります。
- タイミング法
- 排卵時期を確認し、性交の時期を相談する一般不妊治療です。
- 人工授精
- 排卵時期に合わせ、処理した精子を子宮内へ注入する一般不妊治療です。
- 生殖補助医療
- 卵子を体外へ取り出して受精を図る体外受精や、顕微授精等を含みます。
夫婦で受診する場合と一人で相談する場合
夫婦・パートナーと受診する場合
双方の病歴、検査歴、妊娠希望時期、治療への希望を同じ場で共有できます。男性側の評価も同じ時期に進める必要があるか、初診時に確認します。
一人で相談する場合
初回から二人そろう必要があるかは医療機関によって異なります。一人で受診する場合は、パートナーの病歴や過去の検査結果を分かる範囲で持参し、後日必要な受診・検査・同意手続きを確認します。
通院先を選ぶ5つの判断軸
不妊治療では、月経周期に合わせた診察や複数回の通院が必要になる場合があります。治療名だけでなく、相談段階から継続して通えるかを確認します。
- 相談・治療範囲
- 検査相談、一般不妊治療、生殖補助医療、男性不妊のうち何に対応するか。
- 検査と連携
- 院内でできる検査、別施設になる検査、専門診療やグループ内連携。
- 通いやすさ
- 所在地、診療時間、周期に合わせた予約、仕事との調整。
- 説明方法
- 検査計画、結果、治療選択肢、費用をいつ説明するか。
- 方針の相談
- 本人・夫婦の希望を確認し、治療を変更する際に相談できるか。
費用・保険適用を確認するときの注意
一般不妊治療と生殖補助医療の基本的な診療には保険適用となるものがあります。一方で、適用条件、回数、年齢、併用する先進医療、自費検査、薬剤等によって負担は異なります。
固定金額だけを比べず、初診、検査、薬剤、再診、結果説明、治療周期、パートナーの別受診について、保険・自費の区分と概算を確認します。治療方針を変更する際も、次の周期に必要な費用を確認してください。
長谷川レディースクリニックグループの3医院
相談内容と通いやすさを照らし合わせ、各医院の最新の診療内容を確認してください。
- 長谷川レディースクリニック
- 不妊相談、不妊検査、タイミング法、人工授精など。高度生殖医療はグループ内連携を含め診療時に確認します。
- 長谷川レディースクリニック淵野辺ソフィア
- 不妊治療、体外受精、男性不妊、卵子凍結などの相談。
- 長谷川レディースクリニック赤坂
- 不妊治療、体外受精、卵子凍結、男性不妊などの相談。
よくある質問
不妊症と診断される前でも相談できますか?
妊娠希望の時期、月経、病歴、年齢等を踏まえて、検査や相談を始める時期を確認できます。1年を待たず評価を始める場合もあります。
初診の日から治療が始まりますか?
初診では経過と希望を共有し、必要な診察・検査と結果説明までの計画を確認します。初診当日に治療開始とは限りません。
夫婦で同じ日に受診する必要がありますか?
医療機関の運用によって異なります。一人で相談する場合は、パートナーの病歴や検査歴を分かる範囲で共有し、後日必要な受診を確認します。
最初から体外受精を相談できますか?
相談はできますが、適する選択肢は原因、年齢、期間、検査結果、治療歴、希望によって異なります。検査と診療内容を確認して方針を相談します。
保険が使えるか予約前に分かりますか?
治療名だけでは判断できない場合があります。予定する診察・検査・治療、適用条件、自費項目、概算を受診先へ確認してください。
参考文献
- 不妊症日本産科婦人科学会
- 検査・治療についてこども家庭庁
- 不妊治療に関する取組厚生労働省
- Fertility evaluation of infertile womenAmerican Society for Reproductive Medicine
- Diagnosis and treatment of infertility in men, part IAUA / ASRM


