この記事でわかること
- 東京都の卵子凍結の費用助成(凍結時・使用時)と、TOKYOプレコンゼミの検査費助成の内容
- 神奈川県・相模原市で利用できる相談窓口と制度の現状
- 制度を使うときの注意点と、公式ページで確認したいポイント
結論:東京都は費用の助成、神奈川県・相模原市は相談支援が中心
2026年10月15日時点で、各自治体の公式ページで確認できた主な支援は次のとおりです。
| 地域 | 支援 | 概要 |
|---|---|---|
| 東京都 | 卵子凍結に係る費用の助成 | 凍結した年度に上限20万円。翌年度以降は調査への回答で1年ごとに2万円(令和10年度まで実施予定) |
| 東京都 | 凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成 | 融解・受精などは1回上限25万円、凍結胚の融解・移植は1回上限10万円 |
| 東京都 | TOKYOプレコンゼミと検査費の助成 | 受講後、AMH検査などの費用に女性・男性それぞれ上限3万円 |
| 東京都 | 風しん抗体検査 | 妊娠を予定・希望する女性や同居者などが対象(区市町村と連携) |
| 神奈川県 | 不妊・不育専門相談センター | 助産師の電話相談、医師・臨床心理士の面接相談など |
| 神奈川県 | がん患者等妊孕性温存治療費等助成 | がん治療などの医学的な理由がある場合が対象 |
| 相模原市 | プレコンセプションケアのLINE相談 | 専門家に無料でオンライン相談(令和8年10月開始) |
神奈川県のページでは、医学的な理由のない卵子凍結を対象にした県の助成は見当たりませんでした。また、東京都の助成は都内に住民登録があることが条件のため、神奈川県にお住まいの方は対象外です。
制度は年度ごとに見直されることがあります。利用を考えるときは、事前に公式ページで最新の情報を確認してください。
東京都:卵子凍結の費用助成(凍結時・使用時)
卵子凍結に係る費用の助成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 東京都に住む、採卵日の年齢が18〜39歳(18歳以上40歳未満)の女性 |
| 助成額(凍結した年度) | 上限20万円 |
| 助成額(翌年度以降) | 保管に関する調査に回答すると、1年ごとに一律2万円(令和10(2028)年度まで実施予定) |
| 対象となる医療 | 採卵準備のための投薬・採卵・卵子凍結 |
| 回数 | 1人1回(令和5(2023)年10月の制度開始以降) |
| 受診先 | 都が登録した医療機関(登録医療機関) |
| 主な条件 | 説明会に参加したあと協力申請をして承認を受け、説明会の参加日から1年以内に医療行為を始めること など |
不妊症と診断されて治療のために卵子を凍結する方や、東京都の若年がん患者等の生殖機能温存の助成の対象となる方は対象外です。説明会の申し込みから助成の申請まで、都内に住民登録を続けている必要があります。承認を受ける前に始めた治療は、全額自己負担になります。
登録医療機関の一覧(令和8年9月2日時点)は、東京都福祉局のページに掲載されています。助成を使う場合は、受診先が東京都の登録医療機関かどうかを事前に確認してください。当グループでは、長谷川レディースクリニック赤坂が登録医療機関です。
費用の具体的な試算は卵子凍結の費用はいくら?東京都の助成を使った場合の自己負担の目安で紹介しています。
凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成
凍結した卵子を将来使うときの助成もあります。主な内容は次のとおりです。
- 治療開始時の妻の年齢が43歳未満で、法律婚または事実婚の夫婦が対象
- 卵子の融解・受精などは1回あたり上限25万円、凍結胚の融解・移植は1回あたり上限10万円
- 回数は、初めて助成を受けたときの妻の年齢が40歳未満なら6回まで、40歳以上なら3回まで
- 都の登録医療機関で行う治療が対象
卵子凍結を一緒に知る 基礎セミナー
東京都は、卵子凍結のメリット・デメリットや、採卵から凍結までの流れを学べる無料のオンラインセミナーを開いています。令和8年度は10月8日に開催され、アーカイブ配信は11月頃に始まる予定です。年齢や性別を問わず、誰でも参加できます。
ただし、このセミナーは助成の要件となる説明会とは別のものです。助成を使う場合は、対象者向けの説明会に別途参加する必要があります。
区市町村の上乗せ助成(例:港区)
区市町村によっては、都の助成に上乗せする独自の制度があります。たとえば港区は、都の卵子凍結の助成で承認を受けた区民を対象に、都の助成20万円を差し引いた金額に対して、10万円を限度に助成すると案内しています(区のページ、2025年5月29日更新)。申請は、都の承認通知の日付から3か月以内です。お住まいの区市町村の制度も確認してみてください。
企業向けの奨励金(参考)
東京都は、卵子凍結のための休暇制度(年5日以上)や福利厚生制度を整える都内の企業等に、奨励金(休暇制度等の整備20万円、福利厚生制度の整備40万円)を設けています。令和8年度の受付期間はすでに終了していますが、働いている方は、勤務先に卵子凍結の支援制度があるかを確認してみるのもよいでしょう。
東京都:TOKYOプレコンゼミと検査費の助成、風しん抗体検査
TOKYOプレコンゼミ
- 対象:都内在住の18〜39歳で、妊娠・出産を考えている方(パートナーの有無は問いません)
- 形式:オンライン。年22回、各回の定員は1,000人(申込みが多い場合は抽選の可能性あり)
- 内容:生活習慣、AMHや経腟超音波・精巣超音波・精液検査などの検査、妊娠に関する知識など
妊娠前の検査費の助成(上限3万円)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | TOKYOプレコンゼミを受講し、検査について理解したうえで希望する方 |
| 年齢 | 検査の初診日に18歳以上40歳未満 |
| 助成額 | 女性:上限3万円、男性:上限3万円 |
| 対象の検査 | 必須の検査(尿検査、血液検査、麻しん抗体検査)に加え、AMH検査、経腟超音波検査、女性ホルモン検査、甲状腺ホルモン検査、精液検査、精巣超音波検査、男性ホルモン検査、感染症検査など |
| 期限 | 受講後、当該年度内(令和9年3月31日まで)に登録医療機関で検査と助言・相談を受ける |
| そのほか | 受講前に受けた検査は対象外。受講日から申請日まで都内に住民登録が必要。検査後に都のアンケートに回答 |
登録医療機関の一覧(令和8年10月1日時点で186件)は、東京都福祉局のページに掲載されています。助成を使う場合は、受診先が東京都の登録医療機関かどうかを事前に確認してください。
プレコンセプションケアで確認したいことはプレコンセプションケアとは?何を確認する?ブライダルチェックとの違いで解説しています。
風しん抗体検査
東京都は区市町村と連携して、都内に住む19歳以上で、妊娠を予定または希望している女性、妊婦の同居者、妊娠を予定・希望している女性の同居者を対象に、風しん抗体検査を行っています。特別区(23区)、八王子市、町田市にお住まいの方は、それぞれの区市の窓口に問い合わせます。
すでに2回以上の予防接種を受けた方などは対象外です。費用や、抗体が不足していた場合の予防接種の扱いは区市町村によって異なるため、お住まいの区市町村で確認してください。なお、TOKYOプレコンゼミの案内では、無料で風しん抗体検査・予防接種を受けられる助成制度として紹介されています。
神奈川県:卵子凍結の県助成は見当たらず、相談窓口が中心
神奈川県の「不妊・不育」のページを2026年10月15日に確認したところ、医学的な理由のない卵子凍結を対象にした県の助成は見当たりませんでした。県のページで確認できた主な支援は次のとおりです。お住まいの市町村に独自の制度がないかも確認してみてください。
神奈川県不妊・不育専門相談センター
- 助産師による電話相談(予約不要)
- 医師・臨床心理士による面接相談(来所またはオンライン、予約制)
- 泌尿器科医による男性不妊相談(予約制、令和8年度は6月27日と11月28日の土曜日)
不妊症や不育症について知りたい方や、治療中で悩んでいる方が利用できます。相談日は年度ごとに決まっているため、県のページで確認してください。
がん患者等妊孕性温存治療費等助成事業
がん治療などで妊孕性(にんようせい:妊娠するための力)が失われるおそれがある方を対象にした制度です。妊孕性温存治療を行う日の年齢が43歳未満であることなどが条件で、卵子凍結に係る治療は1回あたり上限20万円(他県での助成も含めて通算2回まで)です。医学的な理由がある場合の制度のため、将来に備えた卵子凍結は対象外です。
プレコンセプションケアの啓発・相談
県は、産婦人科医や助産師による性や妊娠、健康管理についての相談や、若い世代の社員向けに助産師が行う企業向けセミナー(無料)などを案内しています。県のプレコンセプションケアのページでは、検査費用の助成は案内されていません。
相模原市:プレコンセプションケアのLINE相談が始まっています
相模原市は、令和8年10月から、プレコンセプションケアのLINE公式アカウントを始めています(市のページ、2026年10月8日更新)。
- 専門家に無料でオンライン相談できる(通信料は自己負担)
- 24時間365日受付。受付から3営業日以内(土日祝を除く)に回答
- 不妊症看護認定看護師、胚培養士、臨床心理士、管理栄養士などが、内容に応じて対応
- 秘密は守られ、匿名でも相談できる
- 必要に応じて、Zoomでのオンライン通話相談(予約制)も利用できる
相談できる内容は、将来の妊娠や健康、生活習慣、月経の悩み、避妊、性感染症、不妊治療、パートナーとのコミュニケーションなど幅広く設定されています。利用できる方の条件は、市の公式ページで確認してください。
このほか市では、男性・女性・カップルのいずれも利用できる妊活サポート相談(不妊・不育専門相談)や、不育症検査費用の助成なども案内しています。
制度を使うときの注意点
- 制度は年度ごとに変わることがあるため、利用前に公式ページで最新の情報を確認する
- 東京都の助成は「都内に住民登録があること」が条件。引っ越しの予定がある場合は特に注意する
- 説明会への参加やゼミの受講など、「受診の前」に必要な手続きがある
- 受診先が東京都の登録医療機関かどうかを、事前に確認する
- 申請には期限がある。領収書や証明書は保管しておく
- 書類の発行手数料などは自己負担になる
- 助成金は後から振り込まれるため、医療機関での支払いはいったん立て替える
なお、不妊治療そのものは、2022年4月から一般不妊治療や生殖補助医療が保険適用になっています(治療開始時の女性の年齢が43歳未満などの条件があります)。詳しくは不妊治療の費用と保険適用|年齢・回数・自費診療の確認点で解説しています。
よくある質問
神奈川県に住んでいて、東京都内の医療機関で卵子凍結をする場合、東京都の助成は使えますか?
いいえ。東京都の卵子凍結の助成は、東京都に住民登録があることが条件です。通う医療機関が都内にあっても、神奈川県にお住まいの方は対象になりません。
東京都に住んでいて、神奈川県の医療機関で卵子凍結をする場合はどうなりますか?
東京都の助成は、都が登録した医療機関で受診することが条件です。受診を考えている医療機関が登録医療機関かどうかを、東京都の一覧と医療機関の両方に事前に確認してください。
TOKYOプレコンゼミは男性も受けられますか?
はい。受講の対象はパートナーの有無を問わない都内在住の18〜39歳の方で、検査費の助成も男性は上限3万円です。
「卵子凍結を一緒に知る 基礎セミナー」に参加すれば、助成の説明会に出たことになりますか?
なりません。基礎セミナーは助成の要件となる説明会とは別のものです。助成を使う場合は、対象者向けの説明会に別途参加してください。
制度が変わったかどうかは、どこで確認できますか?
東京都福祉局、神奈川県、相模原市などの公式ページで確認できます。この記事の「参考」に、確認したページの一覧を載せています。
参考
- 東京都福祉局「事業の概要|卵子凍結に係る費用の助成」(2026年10月15日確認)
- 東京都福祉局「事業の概要|凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」(2026年10月15日確認)
- 東京都福祉局「卵子凍結を一緒に知る 基礎セミナー」(2026年10月15日確認)
- 港区「港区卵子凍結費用助成」(2026年10月15日確認)
- 東京都「卵子凍結に係る職場環境整備奨励金の受付を開始します」(報道発表資料)(2026年10月15日確認)
- 東京都「令和8年度『TOKYOプレコンゼミ』の開催について」(報道発表資料)(2026年10月15日確認)
- 東京都福祉局「プレコンセプションケア」(2026年10月15日確認)
- 東京都保健医療局「妊娠希望女性及び同居者、妊婦の同居者への風しん抗体検査及び予防接種について」(2026年10月15日確認)
- 神奈川県「不妊・不育」(2026年10月15日確認)
- 神奈川県「神奈川県不妊・不育専門相談センターについて【令和8年度】(県民向け)」(2026年10月15日確認)
- 神奈川県「妊孕性(にんようせい)温存治療・温存後生殖補助医療について」(2026年10月15日確認)
- 神奈川県「プレコンセプションケアを知っていますか?(県民向け)」(2026年10月15日確認)
- 相模原市「ご存じですか?これからの新しい健康づくり-プレコンセプションケア-」(2026年10月15日確認)
- 相模原市「プレコンセプションケアを学ぼう!」(特設サイト)(2026年10月15日確認)
- 相模原市「子どもが欲しいと思っている人へ」(2026年10月15日確認)
- こども家庭庁「保険適用について|不妊のこと DICTIONARY」(2026年10月15日確認)


