〒107-0052東京都港区赤坂2丁目14-32
赤坂2・14プラザビル 6階
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卵子凍結について
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若いうちに質のいい卵子を凍結保存しておくことを言います。
卵子は年齢を重ねると共に老化してしまい、質が低下した卵子では妊娠率が下がります。
しかし、出産を希望する女性の皆様が、様々な事情によって必ずしも若いうちに出産できるわけではありません。
卵子凍結はそうした女性が年齢を重ねた時においても、妊娠する確率を少しでも高められる手段として利用されています。
現在では、出産の高齢化対策や不妊治療の一環として多くのクリニックで卵子凍結が取り入れられています。
2013年にガイドラインも整備され、これまで多くの卵子凍結を使った出産が報告されています。
以前は凍結保存の技術が未熟で、卵子凍結は行われず、受精卵の凍結のみでしたが、近年は技術の発達により未受精卵の長期保存が可能になり、実用化されました。
様々な理由で妊娠が難しくなる状況がある中で、妊娠を希望する人にとってその道を閉ざさないための有効な手段となっています。
先述した通り、年を重ねると共に卵子の質は低下していきます。まずはこのメカニズムについてお話ししていきましょう。
女性は生まれた時に、一生分の卵子がすでに卵巣内に存在しています。男性のように、都度新しく体内で作られるわけではありません。
生まれた時から体内にあるわけですから、卵子も年を重ねる共に老化していきます。
20歳の時に排卵された卵子も、30歳の時に排卵された卵子も同じ体内にあったものですが、歳を重ねた分だけ30歳の時に排卵された卵子は、20歳のそれと比べて老化しています。
卵子は老化すると、受精しにくくなったり、胚になりにくいと言われています。つまり、高齢になるほど妊娠しづらくなってしまうのです。
そのため、妊娠を希望するなら、若いうちに妊娠・出産をすることが望ましいのですが、必ずしも全員がその通りにいくわけではありません。
近年では女性の社会進出が進み、晩婚化が顕著になっています。
2011年の厚生労働省の調査によると、日本の女性の平均初婚年齢は、29.0歳となり、妊娠適齢期(20歳〜30歳くらい)と言われる20代を過ぎた後に結婚・妊娠を迎える人が多くなっています。
仕事に夢中になるあまり、妊娠適齢期がいつまでなのかがはっきり知る機会もなく、いつの間にか適応期を過ぎてしまっていたという方もいるでしょう。
仕事に追われて、結婚や出産・パートナーについて時間も余裕もないという方もいると思います。
このような、仕事やパートナー不在によって歳を重ねることで妊娠率が低くなることを「社会性不妊」と言います。
そうした中、年齢を重ねた時に妊娠が難しくなることを懸念する女性が増え、若いうちの質のいい卵子を凍結保存しておく「卵子凍結」が注目されるようになったのです。
このような理由で、卵子凍結を利用し、出産に備える人が多くなっています。
また、卵子凍結は加齢による理由だけではなく、病気による将来的な妊娠率が低下する恐れがある場合にも用いられます。
がんなどの悪性の腫瘍をわずらってしまった場合、治療の過程で外科的な治療や放射線療法を施すことで卵巣の機能が低下し、妊娠がしにくくなってしまうため(これを「医原性不妊」と言います)、あらかじめ卵子を凍結保存しておいて妊娠率をできる限り維持するために行われます。
このように、卵子凍結は社会的な問題や病気により妊娠率が低下してしまう人の希望をつなぐ手段となっているのです。
次は卵子凍結を使用した際の「妊娠率」についてお話しします。
卵子凍結によって保存された卵子を使って妊娠、出産するには、まずは卵子と精子を体の外で受精する「体外受精」が必要となります。
体外受精の際には、凍結された卵子を融解する必要があり、この過程で卵子が破損してしまい、使用できなくなる場合があります。
このようなことから、凍結した卵子を融解する際の生存率は40〜70%程度と言われています。
そして、卵子を解凍した後、体外受精を行い、その受精卵を子宮に戻すのですが、その時の卵子1個あたりの妊娠率は以下のようになっています。
30歳以下で採卵した場合 | 35%前後 |
---|---|
31〜34歳で採卵した場合 | 30%前後 |
35〜37歳で採卵した場合 | 25%前後 |
38〜39歳で採卵した場合 | 20%前後 |
40歳以上で採卵した場合 | 15%以下 |
このように、年齢を重ねるにつれて1個あたりの妊娠率が下がっていくため、なるべく若い段階で卵子凍結を行っておくことが望ましいとされています。
また、この妊娠率がそのまま出産に結びつくかと言うとそうではなくて、妊娠後にも流産の可能性があります。
30歳から34歳の自然流産率は、およそ10%と言われており、30代後半では20%程度、40歳を超えると41%前後まで高まります。
流産の可能性まで含めるとやはり、早期に凍結保存をし、なるべく早い段階で妊娠・出産を迎えることが理想と言えるでしょう。
横スクロールでご確認いただけます。
卵子凍結した方の結果 | 凍結した年齢別のグループ | ||
---|---|---|---|
~35歳 | 36~39歳 | 40歳以上 | |
凍結時の平均年齢 | 33.4歳 | 37.8歳 | 41.6歳 |
平均凍結個数 | 18.1個 | 17.9個 | 15.3個 |
横スクロールでご確認いただけます。
凍結卵を使用した方の結果 | 凍結した年齢別のグループ | ||
---|---|---|---|
~35歳 | 36~39歳 | 40歳以上 | |
凍結時の平均年齢 | 34.0歳 | 37.6歳 | 40.9歳 |
平均凍結個数 | 21.3個 | 14.3個 | 17.2個 |
使用した時の平均年齢 | 37.3歳 | 40.4歳 | 42.5歳 |
平均使用(融解)個数 | 12.0個 | 10.8個 | 14.3個 |
卵生存率 | 94.4% | 82.9% | 89.4% |
受精率(顕微授精) | 84.9% | 89.8% | 81.6% |
胚盤胞到達率 | 56.0% | 52.8% | 39.5% |
妊娠率(移植当たり) | 移植実施せず | 64.3% | 23.1% |
卵子凍結は原則として、39歳以下の女性を対象としています。40歳以上では卵子の質が低下し、出産率が低くなることや、超高齢出産によるリスクが高くなることから、40歳以上で卵子凍結を希望される場合にはお受けできるかを慎重に検討しています。
未受精卵の保存管理は原則として、満50歳の誕生までとします。また凍結した卵子は、凍結した日の1年後から更新料と更新手続きが必要となり、更新を希望しない場合においても「破棄処分依頼書」が必要となりますので、卵子凍結をされた方やこれからご希望の方はこちらにもご留意ください。
卵子凍結の保存期間と維持費に関してはリンク先を参照してください。
卵子凍結はリスクも考慮し、ご検討ください。卵子凍結の採卵の際には、出血や卵巣過剰刺激症候群といったリスクが懸念されます。しかし、赤坂レディースクリニックではそうしたリスクを最小限に抑えるような方法での施術や処置を行っています。
卵子凍結は自治体によっては不妊治療費助成制度の対象となる場合があります。補助金、助成金を活用されて、治療に当たる方も多くいらっしゃいます。
卵子凍結は、妊娠を望む多くの女性の希望となっています。女性の社会進出が進み、妊娠適齢期に当たる女性が仕事から手が離せないと言った状況も多く、妊娠・出産を後回しにしていることも少なくありません。しかし先述の通り、年齢を重ねるに連れて妊娠・出産の可能性が低くなる要因が高まり、その時になって悩む女性も多いのが実情です。
卵子凍結は、そうした現在の社会事情の中で、将来に子供を作る可能性を残しておく有効な手段です。ご自身の理想のライフプランを実現されるためにも、1つの手段として考慮に入れておくといつか助けになる日が来るかもしれません。
また、卵子凍結は近年普及した治療方法ですが、医療技術の急速な進歩により安全性の高さが確立されてきています。
凍結保存や体外受精など普段聞き慣れない言葉も多く、不安を覚えることもあるかもしれませんが、赤坂レディースクリニックでは患者様が安心して治療を受けられる体制を整えることに尽力しています。
凍結保存などの仕組みを患者様にわかりやすいように丁寧に説明し、納得していただいた上で、様々な方法を考慮に入れつつ、最適な治療方法をご提案しています。
妊娠や出産に関する悩みは、是非お気軽にご相談ください。