〒107-0052東京都港区赤坂2丁目14-32
赤坂2・14プラザビル 6階
〒107-0052東京都港区赤坂2丁目14-32
赤坂2・14プラザビル 6階
採卵から妊娠判定まで
*採卵の2日前 指定の時間に点鼻薬(もしくは注射、両方のこともあります)をお願いします。卵子の成熟に必要不可欠なものです。
麻酔をかける場合、前日22時以降(採卵予定時間により変更する場合があります)より、禁食でお願いいたします。(水、スポーツドリンクといったクリアウォーターであれば飲水は構いません)
採卵日当日午前9時30分に来院し、受付けをお済ませください。 お着替えなど準備をしていただいた後、麻酔をかける方は、点滴をさせていただきます。経腟超音波ガイド下に採卵手術をします。 採卵は5~20分ほどで終了します。 採卵終了後は麻酔をかけた方は、安静室で2時間ほど安静にしていただきます。
採卵当日、ご主人には精液を採取していただきます。
採卵は、経腟超音波ガイド下に行います。 モニター画面を見ながら、細い針を腟から刺し、排卵前の卵胞から卵胞液とともに卵子を吸引し、回収します。
採卵後は入院の必要はありません。安静室にて、約2時間程度の安静ののち帰宅できます。当日、採卵結果報告書(採卵個数・精液検査結果について)をお渡しします。
媒精とは、体外培養環境下で卵子と精子を受精させることを言います。受精させる方法には「体外受精」と「顕微授精」があります。
最も基本的な方法です。適度な濃度に調節した精子を卵子にふりかけて受精するのを待ちます。
顕微鏡で見ながら細いガラス管を用いて1個の精子を直接卵子の細胞の中に入れる方法です。 どちらの方法を用いるかは、それまでの治療経過や精液の所見を見て、決定します。
授精方法を予測するため、前もって精液検査を施行。 最終的には当日の精液所見により決定。
採卵の翌日に受精の確認を行います。受精卵は細胞分裂を始めて、「胚」になります。 その後順調に進むと、採卵から5日目には「胚盤胞」という状態になります。この期間は、インキュベーターと呼ばれる体内と似た環境を作ることのできる機械の中で培養します。
インキュベーターとは胚(受精卵)を育てる培養器のことです。内部は一番理想的なお母様の子宮の中と同じような環境に近づけるため、温度37.0℃、酸素5%、二酸化炭素5~6%で常に一定に保たれています。 私たちが生活している環境(温度変動、酸素21%、二酸化炭素0.03%)とは大きな違いがあります。 今までのインキュベーターでは受精卵の発育の状態を確認するために、決まった時間に胚を一つずつ外に取り出して顕微鏡下で観察をすることが必要でした。一旦、インキュベーターの扉を開くと、外の空気が流れ込み、体内と似た環境は一瞬にして体外の環境に置き換わってしまい、胚を観察する度に、光への暴露、温度変化、pH変化などの環境変化が起こってしまいます。 胚にとってインキュベーターの外に出すことは非常にストレスであり、その後の成長に影響を与える可能性があります。 タイムラプスインキュベータは、庫内にカメラが内蔵されており、24時間一定間隔で撮影することができる最新型の培養器です。 そのため胚を外に取り出すことなく、撮影された写真を通して受精卵の観察を行うことができます。 従来型に比べ、胚にとってストレスの少ない状態に保つことができ、受精卵の発育が改善されたとする研究結果が多く報告されています。
当院が導入したタイムラプスインキュベータは、連続観察により得られた情報を基に、AI(人工知能)技術を活用した画像解析機能を用いて、より妊娠する可能性の高い受精卵を、選別することのできる最新の機能を搭載しています。
AIによる画像解析
今までは、受精確認、分割の程度、前述のGardner分類のような胚盤胞のグレードなどを軸に胚選択が行われていました。しかし、培養士の経験を含めて客観データといえど主観が入ることが多く、施設間で評価のばらつきは避けられない部分がありました。 タイムラプスインキュベータにより、これまでは捉えられていなかった受精卵の成長過程を画像で把握し、連続観察により得られた情報を基に、AI(人工知能)技術を活用した画像解析ツールを用いて、より妊娠する可能性の高い受精卵を選別することができます。
当院のEmbryoScopeタイムラプスインキュベータに胚評価支援ツールであるiDAScoreを導入しました。
iDAScoreとは、AI(人工知能)を用いて開発された胚評価支援ツールです。EmbryoScopeタイムラプスインキュベータで撮影された胚の成長画像データから、妊娠の可能性を推測することができます。
iDAScoreを使用すると自動的に胚盤胞を評価し、その結果を1.0~9.9点に数値化してくれます。1.0に近いスコアほど妊娠の可能性が低く、9.9に近いほど妊娠の可能性が高くなるという結果が学会や論文で報告されています。
良好な胚(原則1個)を、柔らかいカテーテルを用いて子宮内に戻します。当院では、全例凍結融解胚盤胞移植を行っております。
採卵から2-3日経過した分割胚を移植する方法です。
採卵から5-6日経過した胚盤胞と呼ばれる、子宮に着床する直前の胚を移植する方法です。
細いチューブの中に受精卵を入れ(ローディング)、子宮の中に静かに移植します。以前は3個以上の移植も普通に行われていましたが、現在日本では、2個までとされています。
「移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては2胚移植を許容する。」
受精卵は透明帯という蛋白でできた殻に包まれています。ハッチングとは、孵化という意味です。ヒトの卵も透明帯と呼ばれる卵の殻にあたる部分から孵化し着床に至ります。この透明帯が厚く硬いため孵化できず、その結果着床しにくい場合があります。 このような場合には移植する前に透明帯を削っておくことで孵化しやすくすることができます。これをアシステッド・ハッチングと言います。 当院では、最も胚を傷つける心配のないと言われているレーザー法を採用しています。
胚を凍結保存しておき、別の周期にその胚を融解し移植する方法です。凍結融解胚を用いた妊娠率のほうが高い傾向にあります。 胚が子宮内に着床できる時期は限られており、凍結融解胚移植の場合、その期間をきちんと考慮し移植を行えるため、妊娠率が向上すると言われています。
胚の凍結保存は、移植胚以外に複数の良好胚が育った場合や、妊娠成立による副作用(OHSS)の重症化予防、妊娠率の向上など、その目的は幾つかあります。 次の治療では卵巣刺激から胚培養までのステップを行わずに胚移植ができるため、身体的にも経済的にも負担が軽減され、有益な方法といえます。 凍結方法として当院では、急速凍結法(ガラス化法)を用います。最も胚へのダメージが少ないと言われている方法です。
着床率を高めるために、注射や腟に挿入する坐薬を使用して、黄体ホルモンを補充します。
胚移植から7~10日前後で、妊娠判定を行います。 院内のホルモン採血にて行います。結果が出るまで50分ほどお待ちください。